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農家が効率化に向けて機械「ロボせんか」開発

2024年7月1日

埼玉県川越市で露地野菜を育てる塩川さんは、野菜を自動で選別する小型ロボットを開発しました。

計量皿に収穫物を乗せると、重量に応じて皿が異なる方向に傾き、各コンテナに仕分ける仕組み。収穫物1個を1秒ほどで処理でき、ベテラン農家が手作業で選別する速度と遜色ありません。

開発した「ロボせんか」は、計量皿に収穫物を一つずつ乗せると、重量に応じて、規格ごとに4方向に皿が傾くようプログラムされています。計測誤差は1g未満と高精度。例えばサトイモでは、JAいるま野の出荷規格に合わせ、40g以上、60g以上、100g以上、160g以上の4区分で選別できます。すでにジャガイモ、ニンジンなどで使用実績があり、計量皿を変えれば他の作物でも使えます。

本体は縦横10cm、高さは20から60cmに調整可能で、重量は約2.2kg。分解も可能で机などにも収容できます。保管や持ち運びのしやすさにも配慮した設計で、新規就農者ら経験が浅い人や障がい者が働く農福連携の現場などでも、ベテラン農家と同じ効率での作業が期待できます。

塩川さんは農家の4代目で、サトイモやチンゲンサイなどを育てています。「選果時は判断の連続が長時間になるので神経が疲れて大変、楽に作業が出来たらいい」という母親の声を聞き、選別を自動化できないか考えたのが開発のきっかけでした。

学生時代に始めた機械工作が高じ、独学でプログラミングやロボット開発の知識を習得。2017年に開発に着手し、1ヶ月後には試作機3台を完成させました。近隣農家に貸し出して意見などを聞きながら1,000回以上試行し、2023年には「選別機」で特許を取得しました。また、2024年には技術の革新性が評価され、一般社団法人埼玉ニュービジネス協議会が主催する「埼玉ニュービジネス大賞」の大賞を受賞しました。

「ロボせんか」は今後、年内の販売を目途に量産化に向け取り組んでいきます。価格は1台当たり5万円台(税込み)を目指します。

塩川さんは「これからも農業を効率化できるよう、生産者の生の声を聞いて要望に答えたロボットを作っていきたい。多くの生産者に使ってもらい、喜んでもらえたらありがたい」と意気込みました。

▼実際の作業の様子(動画)