JAいるま野「令和7年産」の米づくりについて
(集荷拡大に向けて)

令和6年産米は、インバウンド需要の増加等による令和5年産米の不足感や民間在庫量が過去最低水準となった影響により、米価は大幅に高騰しました。一方で、高温障害・難防除害虫等による減収等、水稲を取り巻く栽培環境は非常に厳しい状況となっております。
こうした状況を踏まえ、令和7年産米についても組合員の所得増大に向けた各種の取り組みを実践し集荷拡大を図ってまいります。

1.品種バランスのとれた集荷・販売の実施

共同計算において、販売情勢を見極め、地産地消の拡充、卸等への有利販売強化に取り組み、生産者(組合員)の所得増大・生産意欲向上を目指した取り組みを行ってまいります。

年産/品種 五百川 コシヒカリ 彩のきずな 彩のかがやき 合計
令和7年産目標
品種割合
45t
1.2%
1,220t
32.1%
2,380t
62.6%
155t
4.1%
3,800t
100%
令和6年産実績
品種割合
43t
1.2%
1,175t
33.7%
2,127t(91t)
60.9%
145t
4.2%
3,490t
100%
年産/品種 五百川 コシヒカリ
令和7年産目標
品種割合
45t
1.2%
1,220t
32.1%
令和6年産実績
品種割合
43t
1.2%
1,175t
33.7%
彩のきずな 彩のかがやき 合計
2,380t
62.6%
155t
4.1%
3,800t
100%
2,127t(91t)
60.9%
145t
4.2%
3,490t
100%

※彩のきずなの()内の数値は、下屋集荷の数量です。

(令和7年2月末現在)

2.その他品種の取り組み

下記品種には契約栽培が含まれますので、令和7年産についても契約販売先との協議の上、作付け希望者へ意向調査を実施し、取り組んでまいります。

《参考》令和6年産実績

品種 生産者数 作付面積 販売先
大粒ダイヤ 8人 7.9ha 株式会社 神明
ほしじるし 1人 0.6ha 全農さいたま
さけ武蔵 11人 11.7ha 全農さいたま
TR3344 3人 3.6ha 東洋ライス株式会社

3.高温障害への取り組み(えみほころ実証試験)

暑さに強い水稲品種として、令和6年に埼玉県によって設置された大型実証圃場での「埼玉県産えみほころ」の試験栽培に継続して取り組んでまいります。
埼玉県による種子供給については、令和6年産は実証圃場用のみ、令和7・8年産は割当て等により限定的になる見込みで、本格的な供給は令和9年産以降となる予定です。

(1) 令和6年産生育実証圃場の川越農林振興センター調査結果

市町名 田植日 出穂期 収穫期 玄米品質 精玄米収量
(kg/a)※
坂戸市 6/2 8/12 9/19 1等相当 51.3
川越市 5/10 7/29 9/7 1等相当 52.2
富士見市 5/31 8/8 9/21 1等相当 49.7
狭山市 6/1 8/9 9/17 1等相当 47.9

※川越農林振興センターによる坪刈り調査結果に基づく理論上の収量

(2) 令和6年実証圃場による玄米出荷実績

市町名 作付面積 検査結果 出荷実績
坂戸市 1.0ha 1等 4,390Kg
川越市 0.4ha 1等 2,040Kg
富士見市 0.2ha 1等 690Kg
狭山市 0.1ha 1等 480Kg
合計 1.7ha 7,600Kg

4.イネカメムシへの対策

令和5年に県東部で問題となったイネカメムシ被害が令和6年産は当管内でも発生いたしました。特に稲刈りが遅い水田に集中して発生する傾向があり、「彩のかがやき」等の晩生品種の被害が多く確認されています。
令和7年産水稲栽培においても、昨年甚大な被害を受けた県東部・県北部地域と同等の被害が懸念されるため、イネカメムシの防除モデル例を作成して令和7年産水稲栽培講習会やあぜ道講習会等において防除対策を啓蒙けいもうするとともに、川越農林振興センターとの現地調査に基づき、イネカメムシの発生情報による適期防除を推進してまいります。

5.令和7年産米の集荷拡大に向けて

集荷対策として、生産者の皆様へ高温障害対策やイネカメムシ対策等の栽培技術等に関する講習会を定期的に開催し、良質米生産を支援してまいります。
また、営農推進員による戸別訪問時に集荷拡大要請をお願いするとともに共同計算販売の理解醸成に取り組んでまいります。

〇良質米生産に向けた講習会開催予定

予定項目 開催予定時期 会場予定数
水稲講習会 令和6年12月~令和7年1月 8会場
育苗講習会 令和7年3月 6会場
中間管理講習会 令和7年6月 11会場
追肥あぜ道講習会 令和7年7月 24会場
刈取りあぜ道講習会 令和7年8月 22会場

〇出荷計画の取りまとめ 令和7年3月~5月 全戸訪問

※令和6年産集荷実績を精査し、前年実績と 乖離 かいり の大きい生産者や未集荷生産者に対しては特に重点的に推進を行ってまいります。以降、継続的な訪問を展開いたします。

6.主食用作付けと非主食用米の作付け維持

令和7年産の米価安定に向けて引き続き非主食用米の作付け維持に努めてまいりますが、主食用米の販売金額と差があるため、あくまでも生産者の意向を尊重して取り組んでまいります。

《参考:令和6年産「米粉用・飼料用」実績(いるま野管内)》

種類 出荷者数 契約面積 契約数量 出荷数量
米粉用米 41人 79.1ha 386t 342t
飼料用米 6人 10.8ha 53t 64t

【参考資料】令和7年イネカメムシの防除モデル例

JAいるま野販売推進課