小麦栽培について

【本ページに関する問い合わせ】
川越農林振興センター
農業支援部
TEL:049-242-1804

今年も小麦の作付けが始まりますが、ネズミムギ等雑草の繁茂は小麦の健全な生育を妨げます。10~12月は次の点に注意して栽培を行いましょう。

1 小麦畑の準備

①耕うん・整地

畑の砕土・整地が粗いと苗立率が低下します。丁寧に行いましょう。

②土壌改良資材・施肥

耕起前にpHの測定を行い、石灰質資材を用いて生育に好適なpHである6.0~6.5に調整しましょう。また、表1を参考に施肥を行いましょう。

表1 品種別施肥量(窒素成分kg/10a)
品種名 基肥 追肥
さとのそら 6~7 茎立前に3~4
ハナマンテン 5~6 茎立前に2
出穂期に2~4

2 播種

①種子消毒

配布種子は種子消毒済でないので、ベンレートTコート等で種子消毒をしましょう。

②播種時期

11月10日~11月25日

③播種量

さとのそら 5~7kg
ハナマンテン 5~6kg

④播種深度

播種深度は深すぎでも浅すぎでも収量及び品質に影響します。播種深度は2~3cmになるよう調整しましょう。

3 雑草対策

①畑の砕土と鎮圧

砕土が粗いと除草剤の効力が劣り、また、乾燥時は小麦の出芽が揃わないことがあります。砕土の際は粗くならないように注意しましょう。さらに畑の状態次第では、播種時に鎮圧ローラーの設置圧を強めたり、播種直後に麦ふみローラーで鎮圧しましょう。

②播種後の土壌処理剤散布

雑草の出芽前までの除草剤処理は効果が安定するので、必ず処理しましょう(表2)。

③除草剤処理の注意点

粒剤の場合、土壌がやや湿り気のある時に散布します。
乳剤やフロアブル剤の処理で土壌が乾燥している場合、薬量はそのままで希釈水量を(範囲内で)多めにします。

④雑草発生状況の観察

小麦出芽後にほ場を巡回し、雑草の発生状況を確認しましょう。雑草が発生していたら、小麦生育期の除草剤処理を検討します(表2)。

表2 小麦播種後から使用できる除草剤
薬剤名 使用時期 対象雑草名
キックボクサー細粒剤F 小麦播種後出芽前
(雑草発生前)
一年生雑草
イネ科
広葉
スズメノテッポウ※
ヤエムグラ等
クリアターン乳剤 小麦播種直後
(雑草発生前)
クリアターン細粒剤F 小麦播種直後
(雑草発生前)
ゴーゴーサン細粒剤F 小麦播種後出芽前
(雑草発生前)
ゴーゴーサン乳剤 小麦播種後~小麦2葉期
(雑草発生前~イネ科雑草1葉期まで)
ボクサー
(乳剤)
秋まき栽培の小麦播種後~小麦4葉期
(雑草発生前~発生始期)
ムギレンジャー乳剤 秋まき栽培の小麦播種後出芽前
(雑草発生前)
リベレーターG
(粒剤)
秋まき小麦播種後~小麦2葉期
(雑草発生前~イネ科雑草1葉期まで)
リベレーターフロアブル 小麦播種後~小麦3葉期
(雑草発生前~イネ科雑草1葉期まで)
※スズメノテッポウが多く残る場合、SU剤やトリフルラリン剤抵抗性の可能性があるので、有効な土壌処理剤を使用する。
※除草剤の飛散防止に注意する。

4 麦ふみ

3葉目が見えたら、年内に1回、その後茎立ち前(3月中旬)までに2週間程度間隔をあけて2回。合計3回を目標に行います。

5 さいごに

農薬の情報は令和6年9月11日時点です。農薬を使用する際は必ず使用農薬のラベル表示を確認しましょう。また、農薬を使用したら使用記録簿を付けましょう。