特定外来生物や病害虫の防除について

全国的に影響を及ぼしている特定外来生物や病害虫について、 JA管内の一部でも被害が発生している地域もあり、今後の対策が重要になってきます。 今号では特に注意すべき特定外来生物や秋冬にかけて行うべき防除をまとめたものをご紹介いたします。

稲刈り後の水田と畦畔けいはんの確認を!
難防除雑草「ナガエツルノゲイトウ」

  • ◎県内で難防除雑草「ナガエツルノゲイトウ」の発生が確認されています。
    水田内や畦畔に定着すると駆除が困難となります。
  • 早期発見に務め、適切な防除を実施しましょう。
  • 発生場所で「草刈り」を行うと、バラけた断片の茎節から発根し、定着化します。
  • 見つけたら、先ずは川越農林振興センター・JAへ連絡してください。
根の断片から再生したナガエツルノゲイトウ

ナガエツルノゲイトウ(特定外来生物)とは?

〇繁殖力、拡散力が強く、生態系や農業への悪影響を及ぼすことから 「特定外来生物」 に指定され茎は千切れやすく、水に浮き、数cmの断片から発根し、定着化してしまいます。

ナガエツルノゲイトウは南米原産でヒユ科の多年生雑草。よく似た雑草にアメリカタカサブロウがあるが、球状の花を咲かせるナガエツルノゲイトウと、平たい花を咲かせるアメリカタカサブロウで区別することができる。 ナガエツルノゲイトウの写真3点。根の部分を写したもの、雑草に混ざって生えている様子を写したもの、稲の近くまで伸びている様子を写したもの ナガエツルノゲイトウは南米原産でヒユ科の多年生雑草。よく似た雑草にアメリカタカサブロウがあるが、球状の花を咲かせるナガエツルノゲイトウと、平たい花を咲かせるアメリカタカサブロウで区別することができる。 ナガエツルノゲイトウの写真3点。根の部分を写したもの、雑草に混ざって生えている様子を写したもの、稲の近くまで伸びている様子を写したもの

写真提供:①③ナガエツルノゲイトウ駆除マニュアル(農水省・環境省・農研機構)

写真提供:②④⑤⑥埼玉県病害虫防除所

稲刈り後のナガエツルノゲイトウ防除方法

【刈払い機等による機械除草は行わない】

刈り払いによって断片が農地に拡散する恐れがあるため、定着が見られる畦畔では除草剤中心の管理を行います。

刈払いをしている人に大きく赤いバツが描かれているイラスト

防除手順

1.「秋起こし前」に、稲刈り後の水田・畦畔の発生有無を確認しましょう!
※判断に迷ったら川越農林振興センター・JAへご相談ください!

2.稲刈り後、水田・畦畔に発生していた場合は「除草剤」を使用して防除しましょう!

タッチダウンiQ(除草剤)

除草剤タッチダウンIQのパッケージ画像

又は

ラウンドアップマックスロード(除草剤)散布しましょう!

除草剤ラウンドアップマックスロードのパッケージ画像

➡ 稲刈り後の水田に対する上記農薬を散布するタイミングは、ナガエツルノゲイトウをワラより上に伸ばし、落葉前(10月中旬ごろ)に散布する。

➡ 水田の 耕耘 こううん は、ナガエツルノゲイトウの枯死を確認した後、秋から冬に荒く起こして根を寒さにあて、乾燥させる。

※上記除草剤は、水田作物(水田刈跡)と水田作物(水田畦畔)により、それぞれ適用と使用方法が異なります。

※農薬使用時には、必ず容器に貼付されているラベル内容を確認してください。

3.抜き取った場合は、厚手ポリ袋やゴミ袋等で密閉し、散逸させない場所で枯らすか、焼却処分場で処分します。(焼却処分については各行政へお問合せください)

上記のご相談につきましては、 川越農林振興センター(電話049-242-1804)、最寄りJA営農販売センター・資材センターまでお願いいたします。

秋冬野菜

やっかいな病害虫防除特集

ねぎ・ブロッコリーの「シロイチモジヨトウ」防除対策

今秋、「シロイチモジヨトウの多発生」にご注意願います。

シロイチモジヨトウの要注意野菜 ねぎ・ブロッコリーのイラスト
写真9 シロイチモジヨトウによるねぎ表面の食害の様子
写真⑨ 「ねぎ」の食害
写真10 シロイチモジヨトウによるブロッコリーの葉の裏の食害の様子
写真⑩ 「ブロッコリー」の食害

秋冬野菜シンクイムシ」防除対策

今秋において、芯(生長点)を食害する「シンクイムシ」にご注意願います。

※「シンクイムシ」の正式な農薬適用害虫名は「ハイマダラノメイガ」となります。

シンクイムシ(ハイマダラノメイガ)の要注意野菜 かぶ・ブロッコリー・大根・キャベツ・白菜のイラスト
写真11 シンクイムシ(ハイマダラノメイガ)による野菜内部の食害の様子
写真⑪
写真12 シンクイムシ(ハイマダラノメイガ)の成虫
写真⑫
◎成虫が飛んでいる時期は要注意
(ふ化を繰り返す)

秋冬野菜キスジノミハムシ」防除対策

今秋において、かぶ・だいこん等の根部を食害(幼虫)し、葉に小さな食害穴を開ける(成虫)「キスジノミハムシ」にご注意願います。

キスジノミハムシの要注意野菜 かぶ・小松菜・大根・水菜・白菜のイラスト
写真13 葉に止まっているキスジノミハムシの成虫
写真⑬
写真14 キスジノミハムシによる葉の食害の様子
写真⑭

防除農薬について

シロイチモジヨトウ」「シンクイムシ」「キスジノミハムシ」には、高い効果が期待できるブロフレアSCをお勧めします。

ブロフレアSCパッケージ画像

※上記、ブロッコリーはラベルの「はなやさい類」に該当し、小松菜・みず菜は「非結球あぶらな科葉菜類」に該当します。

ほうれん草「べと病」防除対策

1.べと病(糸状菌[かび])の特徴は?

・風雨等によりスピード伝染し、数年間土中で生き残る場合もある。

2.どのような時に起きるの?

・気温8~18℃前後

・多湿環境(無換気、排水不良等)

・軟弱徒長(多肥・多粒播き)

・発病残査の圃場放置による伝染。

3.どうしたら防げる?

適正施肥による生育の健全化

トンネル換気による過湿予防

・発病株の適正処分

抵抗性品種の導入

農薬散布による予防

写真15 べと病の症状が出ているホウレンソウの葉表の様子
写真⑮
ホウレンソウのイラスト

4.具体的な防除方法

土壌診断の利用:

適正施肥による生育の健全化を行います。多肥施用による発病助長の予防とコスト低減・省力化に向けて土壌診断をお勧めいたします。只今、JA土壌診断室では、「無料」にて分析し、営農推進員による土壌診断結果説明を行っています。

写真15 べと病の症状が出ているホウレンソウの葉表の様子
写真⑮

ほうれん草 べと病対策「黄金コンビ」

1)推奨品種べと病に強いリレー品種!

エクストリーム
(トキタ種苗)

↑【播種9/10~10/10】
・べと病抵抗性R1~19
・売り場で映える濃葉色!

エクストリーム(トキタ種苗)パッケージ画像
右向きの矢印(スマートフォンでの閲覧時は下向きの矢印)

寒兵衛(タキイ種苗)

↑【播種10/11~11/30】
・べと病抵抗性R1~15・17・19
群を抜く多収性!

寒兵衛(タキイ種苗)パッケージ画像

2)推奨農薬予防セット

① 播種時に!
ユニフォーム粒剤(3kg)
(防除の第一歩)

ユニフォーム粒剤(3kg)パッケージ画像
プラス記号

② 生育期の散布に!
ピシロックフロアブル(500ml)
(予防と治療を兼ねる)

ピシロックフロアブル(500ml)パッケージ画像
発売予告

(令和7年春予定)~今秋JAいるま野試験実施~

新しい作用機作
フィールドマストフロアブル

【特長】
キスジノミハムシ、コナガに高い効果!
シンクイムシ(ハイマダラノメイガ)にも対応。

フィールドマストフロアブルのパッケージ画像

※農薬使用時には、必ず容器に貼付されているラベル内容を確認してください。

病害虫のご相談、農薬のご用命は、最寄りのJA営農販売センター・資材センターまでお願いいたします。
JAいるま野「ねっとショップ」も是非ご利用下さい。詳細は下のボタンからご確認ください。

JAいるま野「ねっとショップ」のご案内 >