水稲は刈取り時期が遅れることで、玄米品質や食味の低下を引き起こします。そのため、刈取りまでの水管理や刈取り適期を見極めることは非常に重要です。
次のことを参考に、適期・適量の施用をお願いします。
近年、猛暑日が増加しております。出穂後、猛暑日が予想される日が続く場合は、夕方から深めに入水することで、米の品質低下を防ぎます。
作業性を優先するために早期に落水を行うと、玄米の外観品質の低下や、粒張不良の原因となります。落水は出穂後30日以降を目安に行いましょう。
刈取りは早過ぎると青米が増加し、遅れると胴割れ米の発生で品質を落とすこととなります。「積算温度」や「帯緑色籾割合」などの指標を参考に、総合的に判定し、刈取り適期を逃さないようにしましょう。
ここで使用する「積算温度」とは、出穂期からの日平均気温を足し算したものになります。
各品種の積算温度のめやすは表1の通りです。出穂期は正確に把握する必要がありますので、ご注意ください。
品種 | 積算温度 | 帯緑色籾割合 | 出穂後日数 |
彩のきずな | 900~1,200℃ | 50~10% | 32~44日 |
コシヒカリ | 950~1,150℃ | 15~10% | 34~42日 |
彩のかがやき | 910~1,110℃ | 90~45% | 34~43日 |
穂内の緑色の籾の割合から判定する手法です。各品種の刈取り適期の目安は表1のとおりです。注意点としては、高温下で登熟すると、穂が緑色に見えても中の玄米の登熟は進んでいることがあります。前述の通り、ほかの指標と組合せて総合的に判定してください。
ほ場での籾水分は25%以下が収穫の目安です。
乾燥調整作業も米の品質や食味に影響します。
乾燥初期は送風温度を30℃以下、穀粒水分が20%以下になったら40℃程度に上げます。高水分籾の急激な乾燥は胴割れ米の発生の原因となりますので、注意しましょう。仕上がりの籾水分は14.5~15%になるよう調整しましょう。
収穫が終わった圃場は速やかに耕うんしましょう。刈株を埋没させることで、病害虫の温床となることを防ぐことができます。
また、気温が下がらないうちにすき込むことで、土中微生物による有機物の分解を促し、翌年作における土づくりとなります。
川越農林振興センター
農業支援部
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