水稲の穂肥は、籾の充実を促進するために行うもので、タイミングと、施用量が重要です。
次のことを参考に、適期・適量の施用をお願いします。
適切な時期に穂肥を行うために、幼穂の長さを測定します。
生育が中庸な3株を選び、1株から草丈の長い2、3本の茎を株元から引き抜きます。
根元から葉の方向へ、よく切れるカッターで葉身の真ん中を切り裂きます。
幼穂の長さを計測します。(下図参照)幼穂の長さが、「コシヒカリ」では10~15mm、「彩のきずな」では1~2mmの頃が穂肥を与えるタイミングになります。(下表参照)
幼穂長は気温によって変動しやすいので、こまめに計測し、施用時期が遅れないようにしましょう。
品種 | 出穂時期 | 幼穂長 | 葉色 |
コシヒカリ等 | 出穂20日前 | 10~15mm | 3.5~4.0 |
彩のきずな 彩のかがやき |
出穂25日前 | 1~2mm | 3.5~4.0 |
完全に展開している上から3枚目の葉鞘を丁寧にむき、手で揉むか木づちでたたいて組織をつぶします。ヨードカリ液に入れて染色し、葉鞘の染色割合を確認します。
葉鞘全体の長さに対し、ヨードカリ液で染まった長さ(染色率)をパーセントで計算します。
ヨードカリ反応と葉色から施用量を決定します。(下表参照)
品種 | 葉色 | 染色率(%) | 窒素施用量(kg /10a) |
コシヒカリ等 | 4.0 | 50 | 1.2~1.5 |
3.5 | 55 | 1.5~1.7 | |
3.0 | 60 | 1.6~1.8 | |
65 | 1.6~2.2 | ||
彩のきずな 彩のかがやき |
4.5 | 50 | 1.8~2.5 |
55 | 2.0~2.2 | ||
4.0 | 60 | 2.2~2.7 | |
3.5 | 60 | 2.7~3.2 |
季節予報によると今夏も高温になるとの予想がされております。
充実した実りのために、ぜひ穂肥診断を行ってみてください。
なお、各地区で穂肥講習会を開催しますので、ご参加ください。
川越農林振興センター
農業支援部
TEL:049-242-1804