かんきつ類の防寒と整枝・せん定について

近年人気の、かんきつ類について、冬期の防寒と整枝・せん定を中心にご紹介します

1　かんきつ類（幼木）の防寒

(1)種類による耐低温性のちがい

植付け地での最低気温は、温州みかん・不知火は、マイナス5℃以上、低温に弱いレモンではマイナス3℃以上が必要です。ゆずは最も低温に強くマイナス7℃以上が必要です。
これからかんきつ類を栽培しようとする場合には、風（特に北風）が吹き抜けるところを避けましょう。
植える場所が冬期にどのくらい低温になるのかを考えて、栽培可能な種類を選びましょう。

(2)幼木期の防寒の必要性

かんきつ類は、夏から秋にかけて光合成で得られた養分を、葉に貯蔵して冬を越します。葉に貯蔵された養分は、翌春の発芽～開花に利用されます。
一方、冬の寒さや北風にあたることで、落葉してしまいます。防寒対策は、落葉を防ぐことです。
一般的に植え付けから5年程度は防寒が必要です。

(3)防寒の実際

葉が直接風や寒さにあたらないよう、稲わらや寒冷紗などで全体を覆います。
透明ビニルなどで覆うと、昼間は高温になりますが、夜間は冷えて最低気温は露地と変わりません。枯死する場合もあるため、一日の温度差が小さくなるような資材を使用しましょう。
また、春先の凍害を防ぐため、地際部から10cm高さまで、肥料袋の切れ端などでもいいので、樹に巻き付けておきましょう。

2　かんきつ類の整枝・せん定

柑橘類のせん定は、2月下旬頃から花が見えてくる4月下旬頃までに行います。葉に養分をためているので、切り過ぎないよう注意しましょう。

(1)整枝

主枝、亜主枝をとって樹形を整えましょう。腰くらいの高さから側枝を置いて、樹高は2～3mに抑えましょう。(図1)

(2)せん定の実際

内向枝、枝先端の伸長を妨げる直上枝、重なり枝、交差している枝などを切除して、樹の骨格を整えます。
また、最も高い位置にある枝を整理して、樹高を決め、横に張った枝を切り戻して隣接樹との距離を開けるようにします。(図2)