JA農産物直売所の店舗づくり
JA農産物直売所は、地元生産者と消費者を結ぶ「食と農の拠点」として生産の現場を身近に感じられる安心感や、新鮮で安価なところが消費者にとって魅力となっています。
JA管内には、現在13店舗の農産物直売所があります。今号では、各農産物直売所の中から店舗づくりに取り組んでいる店舗をご紹介いたします。
いるとこ農産物直売所
地域農産物の発信拠点!
いるとこ農産物直売所は、今年の6月にオープンしたJAで一番新しい直売所です。地域住民への認知度向上やリピーター獲得のために積極的なチラシの配布やセールなどのイベント開催に力を入れています。
直売所名の「いるとこ」には、入間市と所沢市という意味以外にも皆が「居るところ」という想いが込められており、地域住民の憩いの場となるような店舗づくりにも努めています。
あぐれっしゅふじみ野
旬の食材を活かした総菜をお届け!
あぐれっしゅふじみ野は、加工室を有しており、旬の食材を活かした総菜を提供できることが魅力です。総菜は、店舗スタッフが生産者から出荷される野菜の中からレシピを考え、季節感のあるメニューの提供を心掛けています。
今年の3月には、直売所の敷地内にキッチンカーがオープン。広い世代に好まれるおにぎりを中心に販売し、JA産米の認知度向上にも力を入れています。
松井農産物直売所
生産者と利用者をつなぐ店舗スタッフ
松井農産物直売所は、中規模店舗という特性を活かし、店舗スタッフと生産者、利用者の距離が近いことが強みです。各スタッフが利用者の好みの野菜などを熟知しており、その方に合ったオススメの野菜などを提案しています。
また、利用者から要望があった野菜などの情報を随時把握し、その野菜を出荷している生産者に情報をつなげることで、利用者と生産者の双方がWin-Winとなるような店舗づくりを心掛けています。
あぐれっしゅ日高中央
飯能農産物直売所
生産者による美化活動!
「あぐれっしゅ日高中央」と「飯能農産物直売所」は、開店当初から店休日の前日の閉店後、30分ほど、出荷者の任意で店内清掃を行っています。生産者主体による店内清掃は稀な取り組みで、生産者同士協力し合いながら床のモップ掛けや陳列棚の拭き掃除などを行っています。
清掃を行う生産者は、「責任と自覚を持とう!」と声を掛け合い、ベテラン農家と若手農家とのコミュニケーションの場にもなっています。
鶴ヶ島農産物直売所
坂戸農産物直売所
SDGsに貢献!
「鶴ヶ島農産物直売所」と「坂戸農産物直売所」では今年度から、地元農産物を通じて子どもたちを支援するとともに、地域活性化に向けて貢献していこうと、定休日の前日の閉店後に余った野菜を任意で子ども食堂に寄贈するSDGsの取り組みを行っています。
同直売所の出荷者は食品ロスを減らし、子ども食堂を通じて子どもたちに新鮮な野菜やくだものを提供しています。
食育ソムリエとは?
「食育ソムリエ」とは、一般社団法人JC総研が独自に認証し全国のJAで取り組んでいる資格です。民間資格の「野菜ソムリエ」と同様に、野菜の基礎知識やその調理法などに関する専門知識を習得します。その認証には約半年間の養成講座と資格試験での合格が必要となりますが、農産物の生産や流通の仕組み、消費者とのコミュニケーションづくり、食育活動に関する知識とより幅広い専門知識を求められることが特長です。
食育ソムリエの役割とは…
私たちソムリエは、地域の生産者と消費者を結ぶ「食と農の点」とした存在でもあるJA農産物直売所の魅力をより高めるため、生産者の地産地消にかける工夫や想いをしっかりと理解し、野菜や果物の魅力を分かりやすく伝えることが重要です。これらの消費者と生産者の信頼関係づくりのリーダー的な役割を担うのも「食育ソムリエ」です。
JAの直売所に行くと、陳列棚に掲載している手作りのレシピがありますよね?そのレシピは、ソムリエが考えているんですよ。その日収穫した新鮮な野菜を、いかに美味しく味わっていただくかを考えてレシピを作成し、積極的にPRしています。また、珍しい野菜が出荷された日には、出荷者に相談して素材に合った食べ方を考案します。旬に応じたレシピを考案しているので、ぜひ楽しみにしていてくださいね。
JAが取り組んでいる店舗づくりとは…
JAではソムリエを集め情報交換や意識向上のため、月に1回程度「食育ソムリエ定例会議」を行っています。会議を開催する際には1店舗の店舗内を見学し、会議で感想を言い合い、フィードバックを行っています。また、各店舗のソムリエが考案したレシピを全直売所に提供するなど、ソムリエを筆頭により充実した店舗づくりに努めています。食育ソムリエは、「生産者に消費者のニーズを伝え、消費者には生産者の想いを伝え相互理解を深めること」さらに、「地元の新鮮な農産物を使った健康的で豊かな食生活を提案すること」これこそが地元から愛されるJA農産物直売所の店舗づくりだと考えます。