――就農から現在までの状況をお聞かせください。

現在、約180アールの面積にアスパラガスやホウレンソウ、トウモロコシなどの季節野菜を栽培しています。農産物はＪＡ狭山共販センターに出荷している他、軒先販売も行っており、地域住民の方からも評価の声を頂いています。
7代続く農家の家に生まれ、就農して52年になります。元々、父の代までは養蚕業一筋で営んでいましたが、私の代になってから野菜の栽培を始めたため、就農時は苦悩の連続でした。当時は同じように養蚕業から農業へと転向する人も多く、分からないもの同士、互いに情報を交換し合いながら、「美味しい野菜を作るため」に努力したことは、今でも記憶に残っています。

――今日に至るまで農業を続けられた理由を教えてください。

何よりも仲間の存在が大きいと思います。就農時から助け合っている4Ｈクラブのメンバーとは、共に勉強し切磋琢磨した仲であり、50年以上が経った今でも交流が続いています。彼らが農業を続けるうちは、私も現役で頑張りたいと思います。
また、軒先販売で消費者の方から直接「野口さんの作ったアスパラガスが新鮮で美味しいから、リピートしています！」といった声を掛けてもらえることも農業を続けている理由の一つですね。
現在、農業を取り巻く環境は一層厳しさを増していますが、それに負けずに、美味しい野菜を消費者に届けられるように、これからも頑張っていきたいと思います。