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さんとめの木をいかす展
2024年11月8日
埼玉県の三富地域農業振興協議会は11月2日と3日の両日、川越市の小江戸蔵里で「さんとめの木をいかす展」を開きました。
パネルや地割り模型の展示などで歴史・文化を紹介し、平地林木材で作った工芸品の展示即売やワークショップなどで平地林の必要性を訴えました。
同地域は平地林で集めた落ち葉を堆肥として農地で使い農産物を生産。「武蔵野の落ち葉堆肥農法」は昨年7月に世界農業遺産に認定されました。平地林は、防風林や燃料用のまきにするなど多くの役割を果たしてきました。近年、まきの利用は減り、平地林の管理が行き届かない例も目立ちます。
展示会は木工製品を通じた平地林のPRや都市住民らの理解促進などを目的に開き、18年目。今回は県内の9工房が出展しました。
会場では歴史や文化などを紹介するパネル展示で三富地域をPR。ワークショップでは、三富材を使った時計やおもちゃ作り、コナラなどの木をカンナで削る「五角箸」作りなどが行われ、各工房の工芸品も並びました。「ナラ枯れ」を起こした木を使った木工製品の展示即売や公共機関で使われている「さんとめのコナラベンチ」の展示なども行われました。
新たな取り組みとして、三富材を内装に使ったビーチカーが展示された他、「埼玉わっしょい大使」を務めるエミッフィさんと杉山かふんさんが来場し、ワークショップなどを通じて、同地域のPR活動を行いました。
高村クラフト工房の高村さんは「コナラのベンチは使用者中心にリデザインしたものを展示した。今後も自然環境に配慮し、平地林を守るための運動に協力したい」と語りました。
県川越農林振興センターの河合担当部長は「平地林を守り、育てるためには、その利用についても考える必要がある。平地林を保全するためにも、今後も活動を続けていきたい」と話しました。