JAいるま野広報 2017年2月号 No.250
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営農情報050100150200250300350400450H27H28H27H28H27H28ナミテントウナナホシテントウヒメカメノコテントウヒメアカホシテントウ(頭数/27ほ場)さなぎ成虫幼虫写真1 茶園でのナギナタガヤの旺盛な様子写真3 枯れて倒伏したナギナタガヤ写真2 ナミテントウ成虫 埼玉県茶業研究所では茶園周辺にナギナタガヤを播種し、テントウムシ類などの捕食天敵類を増加させることにより、クワシロカイガラムシやチャトゲコナジラミなどの発生を抑制する技術を推進しています。 ナギナタガヤは一年生のイネ科の草であり、夏に自然倒伏した後、枯死する性質を持っています。倒伏したナギナタガヤがマルチ状になり、他の雑草の繁茂を抑制する効果もあります。播種は前年の九月中旬から十月中旬に行うようにします。播種時期が遅くなると草丈が低くなり、マルチ効果が少なく雑草が繁茂しやすくなります。果樹園の草生栽培によく利用されており、茶園でも枕地の雑草抑制効果と土壌流亡防止効果も認められています。 平成二十七年と二十八年にナギナタガヤにいる天敵類を調査しました。五月に入りお茶の新芽に害虫が発生すると天敵類はそちらに移ってしまうのでその前の四月下旬に調査しました。グラフは二年間の述べ二十七カ所の茶園で見かけたテントウムシ類の合計です。(図一)ナミテントウとナナホシテントウは普段よく見るテントウムシですが、成虫で越冬し、春先に産卵するため、ナギナタガヤでは幼虫、さなぎ、成虫が見られました。またクワシロカイガラムシやチャトゲコナジラミなどの小害虫を好んで食べる小さなテンお茶畑で大活躍のテントウムシたちトウムシであるヒメアカホシテントウやヒメカメノコテントウもナギナタガヤで観察されました。 これらのテントウムシと天敵への影響が少ない農薬の組み合わせにより茶園の防除回数を削減することができます。 ナギナタガヤは二年目以降、落ちた種が発芽するので種を播く必要がなく、再生の揃いが悪い部分のみ一年目の半量を追い播きします。落ちた種は意図しないところからも発芽するのでその点は注意が必要です。茶業研究所農業革新支援担当 ☎〇四‐二九三六‐一三五一08「いるま野」2017年 2月号
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