1 サトイモ疫病の感染経路2 種芋消毒の手順・ポイント3 4 薬剤散布用通路の確保定植後の管理さといもの重要病害である「サトイモ疫病(写真1)」は、令和元年に県内で初めて発生が確認され、翌年は大発生して大きな減収をもたらしました。その後は生産者の方々の防除対策や気象条件により大きな発生には至っていませんが、発生は毎年確認されています。この病気は油断すると一気に拡大するため、予防や早期防除が特に重要です。最初の伝染源は、前年の収穫残渣、 野良生え株、菌が感染した種芋と考えられています。このうち県内では種芋に潜んでいる菌による発病が少なくないと考えられるため、植付け前の種芋消毒は特に重要な作業です。①種芋選別種芋は、可能な限り疫病が発生していないほ場の、腐敗のない健全な株からとります。種芋には割れや切り口の変色の無いものを選びます。②洗浄粗選別した種芋をコンテナに入れ、コンテナごとケミクロンGの希釈液中で上下させ、芋に付いた土をよく洗い流します。このとき、水に浮く芋は病気に感染している可能性が高いので取り除きます。③消毒洗浄した芋は風乾し、ベンレートT水和剤20の20倍希釈液に1分間浸漬して消毒(写真2)した後、早めに定植します。鉄砲噴口による薬剤散布では、十分に薬液が付着するのは散布用通路から5mまでの株です。このためほ場には10mおきに散布用通路を確保しましょう。6月上旬~9月下旬までの高温期が、発病リスクが高く防除が必要となる時期です。近年、疫病に対する登録薬剤が増えてきました。疫病は予防と早期防除が重要なので、今から準備しておきましょう。予防剤にはピシロックフロアブル、ペンコゼブ水和剤(ジマンダイセン水和剤)、ランマンフロアブル等、治療剤にはダイナモ顆粒水和剤、カンパネラ水和剤(ベネセット水和剤)、アミスター20フロアブル等があります。さといもは薬剤が付着しにくいので、薬害のおそれが少ない展着剤(ドライバー、スカッシュ等)を必ず加用します。(以上、令和7年1月15日現在登録状況)。なお、農薬の利用にあたっては、ペンコゼブ水和剤とカンパネラ水和剤のように同一成分を含む剤があるため、ラベルの記載内容をよく確認して成分ごとの使用回数に十分注意してください。写真1写真2【本ページに関する問い合わせ】埼玉県川越農林振興センター 農業支援部 ☎049-242-180407「サトイモ疫病」の防除対策について
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