JAいるま野 広報誌 2024.03|No.333
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1 床土の準備2 種もみの準備3 4 種まき育苗中の管理5 田植え昨年の4~5月は気温が高くなる日が多く寒暖差も激しかったため、育苗時の水不足による苗の生育不良や立枯病、ムレ苗が一部で見られました。水稲苗の良し悪しはその年の収量や品質を左右しますので、基本技術の励行を心がけましょう。①床土は熱処理等により滅菌された「水稲育苗培土」の購入・利用がおすすめです。自分で床土を作る場合は、畑の土は使用せず、病気の発生がなかった水田の土を使用しましょう。②床土は㏗4.5~5.5が最適です。③育苗箱や保温資材は、事前の洗浄・消毒が重要です。特に、前作や前々作で立枯病等の発生があった場合は、必ず育苗箱を消毒しましょう。①品種特性を保持するため、種子更新は毎年行いましょう。②充実した種子を選ぶため、塩水選を行います。水10ℓに対し、うるち米なら2.1㎏、もち米なら1.5㎏の食塩を溶かした液に種もみを入れ、浮いてきたもみを取り除きます。塩水選後は、必ず水洗いを行い、塩分をよく洗い流しましょう。③種子伝染する病害虫(いもち病、ばか苗、イネシンガレセンチュウ等)を防除するため、種子消毒を行います。種子消毒には温湯消毒と薬剤による消毒があり、温湯消毒はJAで受け付けていますので、事前に実施日時等を確認しておきましょう。④種もみを一斉に発芽させるため、必要な水分を吸収させる浸種を行いましょう。浸種は水温×日数=で、水温15℃の場合は約7日間となります。なお、水温が10℃以下では、発芽不良等を生じる場合があります。また、酸素不足を防ぐために2~3日に1回は水を交換しましょう。(薬剤消毒の場合は、効果が薄れるので初日の3日間は水を替えないようにします。)①浸種後は催芽機などで30℃に加温し、図1のはと胸状態になるまで芽出しを行います。加温時間は一晩を目安としましょう。②播種量は乾もみで80~100g、催芽もみで100~125gを目安に薄播きを心掛けましょう。厚播きは軟弱徒長を助長し、苗いもちや植え痛みの原因となります。また、播種後は被覆資材の利用による保温を図り、発芽を促進しましょう。①育苗期間中のかん水は、床土の表面が乾いた朝~午前中に1回が基本です。天候条件や土の乾き方に合わせて、育苗初期は1~3日程度おき、後半は朝と昼に実施し過湿・過乾を避けるようにしましょう。②温度は35℃以上の高温や、10℃以下の低温を避け、表1を参考に、適温を保ちましょう。①稚苗は葉齢2.0葉程度、中苗は葉齢②重要病害虫対策のため、田植え前の箱施用剤散布がおすすめです。「彩のきずな」は紋枯病に、「コシヒカリ」はウンカ類に登録のある箱施用剤を使用しましょう。播種当日~3日頃まで(出芽が揃うまで)播種後4日~7日頃まで播種後8日~田植えまで時期・20℃前後で太陽光や外気に当てる表1 育苗期の温度管理20~25℃・35℃以上にしない・初期に直射日光に当てない20~25℃図1はと胸状態の種もみ適温昼夜 ・15℃以下にしない・田植え4~5日前には外気に当てるが、9℃以下は厳禁4.0葉程度が田植えの適期です。100℃(コシヒカリは120℃)が目安【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 ☎049-242-180430℃15~20℃10~15℃07水稲の育苗管理について

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