JAいるま野 広報誌 2021.8|No.303
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 オヒシバは、日当たりの良い場所に生えるイネ科の一年生雑草です。近年、県内では一部の除草剤に抵抗性を持つオヒシバの発生が問題になっています。次の対策により、オヒシバを適切に防除し、水田畦けいはん畔での発生を防ぎましょう。1 オヒシバが増えた要因 同じ成分の除草剤を繰り返し使用したり、登録されている濃度よりも高い濃度・多い量で散布することが、除草剤の効かないオヒシバの発生要因になっています。とくに、連用事例の多いグリホサート系の除草剤に対し、抵抗性を持つオヒシバの発生が確認され、発生地域では連用防止の注意喚起やローテーション散布による防除が行われています。2 オヒシバの特徴 オヒシバは穂が見えてから開花し、約2週間で種子ができます。また、その種子は2週間後に発芽します。発芽温度は20℃で、気温が高ければ日長に関係なく、1年間に何度も生育・出穂・発芽を繰り返します。 日当たりの良いところを好み、他の雑草が生えている場所には生えにくいのが特徴です。また、他の雑草と同様にカメムシなどの害虫の住処にもなります。3 基本的な対策① 穂が見えたら直ちに除草しましょう。② カメムシ等が水田に飛び込むのを防ぐため、水稲が出穂する2週間前までに除草しましょう。③刈払機で刈り取りましょう。④ 計画的な散布を心掛け、同じ成分の除草剤を繰り返し使用しないようにしましょう。4 雑草対策のポイント① 発生抑制効果のある土壌散布剤を組み合わせ、散布回数を減らしましょう。② 除草剤のラベル表示を確認し、登録内容に従った使用回数・量・濃度で散布しましょう。【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804写真 オヒシバ…左:生育期        右:開花時期(写真提供…埼玉の農作物病害虫写真集ホームページより)水田畦畔のオヒシバ対策について表 水田畦畔雑草に適用性のある除草剤(令和3年6月9日現在)薬剤名適用場所使用時期使用量(10㌃あたり)散布液量(10㌃あたり)使用方法使用回数RACコードダイロンゾル水田畦畔雑草発生前~生育初期(ただし、収穫30日前まで)200~250㍉㍑100㍑雑草茎葉散布または全面土壌散布1回5DCMUザクサ液剤水田畦畔収穫7日前まで(雑草生育期:草丈30㌢以下)500~1,000㍉㍑100~150㍑雑草茎葉散布2回以内10グルホシネートPナトリウム塩アフターエイドフロアブル水田畦畔雑草生育期(ただし、収穫7日前まで)500~1,000㍉㍑100㍑雑草茎葉散布2回以内1キザロホップエチルラウンドアップマックスロード水田畦畔収穫前日まで(雑草生育期)200~500㍉㍑50~100㍑雑草茎葉散布3回以内9グリホサートカリウム塩※農薬の使用にあたっては、必ずラベルに記載された使用方法に従い、飛散防止に努め、使用記録簿を付けましょう。07「いるま野」2021.8

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