JAいるま野 広報誌 2021.5|No.300
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【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804 近年、田植え後に気温が高くなることが多くなったため、水田の水温も高くなり、ガス害や藻類が多く見られるようになりました。5月の移植後にガス害や藻類が発生した場合は、対策をとるようにしましょう。1 ガス害とは 水田の土中にある未分解の有機物(主に前作の稲わら)が、水温が上がることで分解され、稲にとって有害なガスである硫化水素やメタンガスが発生します。 これらの有害なガスによって、稲の根が傷み、ひどい時には枯れて欠株になります。次の症状がある場合、ガス害が発生していることが考えられます。 ① 水田に踏み入ると、土からブクブクと泡が出る ② 水面に多数の小さな泡が見られる(写真1) ③ 稲の根が、褐色〜黒色に変色している ④ 稲全体に元気がなく、下葉が黄色くなっている(写真2)2 藻類の害について 水温が高くなると、藻類も繁殖しやすくなります。藻類が多くなると、風に吹かれた藻類が移植後の小さい稲に覆いかぶさることがあります。 藻類で覆われてしまうと、稲は光合成ができずに、初期生育が悪くなったり、欠株になったりします。3 ガス害・藻類への対策 これらの害を減らすためにも、次の対策を行いましょう。⑴ 稲わらの分解促進   ガス害を減らすには、前作の稲わらを分解することが重要です。そのためには、前年に次のことを実施しましょう。   ①収穫後の早めの耕うん   ②分解促進資材の散布⑵ ガス害が発生したとき   一旦水を落とし、土が見えるように軽く干しましょう。干すことで土中に酸素が入り、有害なガスが発生しにくくなります。   軽く干す時は、次のことに注意しましょう。  ① 除草剤の効果がなくなるため、初中期一発の除草剤散布後、2週間程度は干すことを避ける。  ② 土が見えるまで水を落とし、ヒビが入る前に水を入れる。⑶ 藻類が発生したとき   藻類対策としては、薬剤散布が有効ですが、ガス害対策と同様に軽く干すことも効果的です 。   土を出して軽く干すと、藻類が土に貼り付くので、その後に水を入れても藻類による害を抑えることができます。水稲栽培のガス害・藻類対策写真2 ガス害により黄色くなった稲写真1 水面のガスの泡03「いるま野」2021.5

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