写真1 接ぎ芽の準備写真2 T字に切り込む写真4 接ぎ芽を挿す写真3 木べらで広げる写真5 テープを巻く【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804 今月号では、かんきつの接ぎ木について説明します。接ぎ木は増殖を目的とする植物体(穂木)を他の植物体(台木)に接着させ、独立した個体に養成する方法です。1 接ぎ木の目的 かんきつにおける接ぎ木では、台木の選択により、樹勢の調節が可能です。樹高を低く抑えるために、わい性台木(ヒリュウ、カラタチ等)に接ぐ技術が利用されています。また、接ぎ木苗は、穂木の特性が維持されるため、品質の優秀な樹から採取した穂木を接ぐことで、優秀な苗を自家増殖させることが可能です。2 接ぎ方 接ぎ木には、枝接ぎや高接ぎ等がありますが、今回は芽接ぎについて説明します。芽接ぎは、樹液が流動している8月下旬〜9月下旬に行い、狙った位置に新しんしょう梢を出したい際に有効です。ここでは、芽接ぎの中でも「たて芽接ぎ」を紹介します。① 穂木から接ぎ芽をそぎ取る 穂木は、増殖したい樹から太りの良い新梢を選びます。葉を落とし葉柄を残した後、穂木から一芽そぎ取ります。断面は水平にし、断面に葉柄の付け根部が出ないようにします。(写真1)② 台木に切り込みを入れる カッターナイフで、接ぐ位置にT字状に切り込みを入れます。この時、台木の面が平らな部分に切り込みを入れます。(写真2)③ 台木の切り込みを広げる 切り込みから木べら等を用いて樹皮を丁寧に剥がし、観音開きにします。樹皮は、完全に剥がないよう注意します。(写真3)④ 接ぎ芽を台木に挿し込む ①で準備した接ぎ芽を③で開いた部分に接ぎ、接着面が密着しているか確認します。(写真4)⑤ 接ぎ木テープを巻く 乾燥防止のために、葉柄を出しながら巻きます。(写真5) 1週間ほどして葉柄がきれいに落ちれば、接ぎ木は完了です。かんきつの管理について※ 種苗法により、無断での販売目的の増殖は禁じられています。09「いるま野」2021.3
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