JAいるま野 広報誌 2021.1|No.296
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熱中症 7件18%つまずき・転倒8件20%機械への巻き込まれ5件 13%高所からの転落4件 10%刃部との接触2件 5%機械の転倒 2件 5%交通事故1件 3%その他 10件26%機械65%その他19%資材3%施設5%農用具8%①農作業事故発生要因は? 埼玉県の農作業事故は農業機械に係る事故が多く、過去10年間の事故要因調査では65%(239件)と高い割合を占めています(図1)。この場合、農業機械とはトラック(軽トラック含む)、トラクター、コンバインなどの機械を言います。 昨年発生した事故内容においては、「つまずき・転倒」が8件、次いで「熱中症」が7件、「作業者が機械へ巻き込まれた」が5件となっています(図2)。また、年齢別に見ると、60歳以上の高齢者が全体の7割を占めています。② 高齢者を作業事故から守る対策とは? 事故内容で「つまずき・転倒」の内訳は、トラクターなどからの降車時にステップから転倒する事例が3件、収穫物や資材などの運搬中に転倒する事例が3件ありました。高齢者が被害に遭っていることから、高齢者の身体機能の低下と農業機械の大型化がミスマッチして発生した事故と言えます。 事故を経験された方々からの全国的な聞き取り調査でも、これらの事故が報告されています。その詳細な調査および分析によりますと、トラクターやコンバインの大型化でステップ位置が上がったため、高齢者にとって昇降そのものが大変きついものとなっています。また、一段、二段のステップは付いているものの、昇降に適切な位置にあるものばかりではありません。こうした中で、前向きなら足下を確認して降りれば大丈夫だと思い込んでしまったことが、この転倒事故の誘因となっているのです。 この対策として、トラクターなどの手すりを握り、後ろ向きで安全に降車できることを確認した後に、作業に取りかかることが重要です。 なお、高齢者の運搬作業は、転倒による事故が発生しやすいので、荷物を分割して運搬したり、運搬台車を使用して運ぶなどの工夫が必要となります。 また、脚立など高い場所へ重い物を持って運ぶ場合は、ヘルメットを必ず着用しましょう。一般的に70㌢を超える高さで作業する場合は、ヘルメットの着用は必須です(図3)。【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804県内発生の農作業事故と対策図3 高所作業はヘルメットを着用する図1 過去10年間の事故要因別割合(平成22年~令和元年、369件) 埼玉県農林部農業支援課調べ図2 事故内容別の発生件数と割合(平成31年1月~令和元年12月、39件) 埼玉県農林部農業支援課調べ07「いるま野」2021.1

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