JAいるま野広報8月号
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【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804 ネギ栽培においては、夏の高温期に「ネギハモグリバエ」や「ネギアザミウマ」などの害虫が発生しやすくなります。昨年、両害虫の被害が多発しました。収量・品質の低下を招かないよう圃ほじょう場をよく観察して、早めの防除を行いましょう。1 従来とは別系統のネギハモ   グリバエが発生しています! 昨年、県内でネギの葉がネギハモグリバエにひどく食べられ、白くなってしまう被害が多発しました。JAいるま野管内でも9月初め頃から被害が見られました。従来の被害の様子とは異なっており、遺伝子解析の結果、従来の系統(以下、A系統)とは異なる別系統(以下、B系統)であることが分かりました。 B系統は平成28年頃から京都府で発生し、その後全国に広がり、一都二府十四県で発生が確認されています。【被害の様子】 従来のA系統は、ネギ一葉あたり数匹程度の幼虫が葉中に潜り込み、食害痕が白いすじ状になります。 これに対しB系統は、一葉あたりの幼虫数が多く、10匹以上が集中的に加害する傾向があります。 幼虫の食害が進むと葉全体が白くなり(写真1)、葉肉が食い尽くされ、表皮が浮いた状態になり(写真2)、表皮を取り除くと多数の幼虫が確認できます。一見すると、疫病などの病気の被害に似ているので、注意が必要です。【防除対策】 A系統とB系統の成虫・幼虫を肉眼で区別することはできません。また、現時点では農薬の防除効果の系統間の違いは確認されていません。被害が見られたら、表を参考に適用のある農薬により、防除を徹底してください。 被害葉、収穫残さは発生源になるので圃場に放置せず、ゴミ穴に埋めるか、1か所にまとめてビニールで被覆するなど適切に処理してください。2 既にネギアザミウマの被害が  見られています!【被害の様子】 成虫や幼虫が葉身を食害し、その痕がカスリ状に抜けて白くなります(写真3)。今年は既に多くのネギ圃場で被害が発生しており、注意が必要です。【防除対策】 定植時および土寄せ時に持続効果の長い粒剤を施用して寄生密度を低く保つとともに、系統の異なる薬剤によるローテーション散布を行いましょう(表)。ネギの害虫防除について写真3 ネギアザミウマの    被害痕写真2 被害葉写真1 被害圃場 ネギは薬液の付着しにくい作物です。薬液を散布する場合、防除効果を安定させるために展着剤(例:アプローチBI、スカッシュなど)を加用し、かけムラのないよう、十分量の薬液で丁寧に散布しましょう。表 ネギ防除薬剤例薬 剤 名IRACコード対象害虫名希釈倍数・使用量使用時期(収穫前日数)本剤使用回数使用方法ネギアザミウマネギハモグリバエベストガード粒剤4A〇〇6㎏/10a前日まで3回以内株元処理ダントツ粒剤4A〇〇3~6㎏/10a3日前まで4回以内株元散布アクタラ顆粒水溶剤4A〇〇1,000~2,000倍3日前まで3回以内ディアナSC5〇※1〇2,500~5,000倍前日まで2回以内アグリメック6〇※1〇500~1,000倍3日前まで3回以内リーフガード顆粒水和剤14〇〇1,500倍7日前まで2回以内散布ベネビアOD28〇※1〇※22,000倍前日まで3回以内グレーシア乳剤30〇※1〇2,000~3,000倍7日前まで2回以内ファインセーブフロアブル不明〇※1〇アザミウマ類 1,000~2,000倍ネギハモグリバエ 2,000倍3日前まで2回以内※1 アザミウマ類で登録  ※2 ハモグリバエで登録※農薬使用時の注意点 ①農薬ラベルを必ず確認! ②飛散防止に努める ③農薬使用記録簿を付ける【写真提供(写真1・2)埼玉県病害虫防除所】(令和2年6月10日現在の農薬登録内容で作成)07「いるま野」2020.8

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