JAいるま野 広報12月号
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1 サトイモ疫病の発生 サトイモ疫病がJAいるま野管内で発生しました。本病は他県のサトイモ産地で減収を引き起こすなど、大きな問題となっています。 サトイモ疫病菌は感染力が強く、発病した株から水しぶきや強風によって蔓延します。発生し始めると急激に蔓延し、被害を拡大させます。 現在のところ、使用できる農薬が少なく、発病してからできる対策は少ないので、できるだけ発生させないことが重要です。2 サトイモ疫病菌について 疫病菌は糸状菌(カビ)で、サトイモの仲間にしか感染しません。菌は気温10〜35℃で生育し、気温27〜30℃で被害が急速に拡大します。発病すると葉の表裏に円形の褐色または灰色の病斑が、葉柄には黒色のシミが見られます(写真)。感染した場合でも芋自体は、問題なく食べられますが品質が低下する場合があります。3 収穫後の対策 疫病菌は土壌中では生存能力が弱いため、葉や葉柄などの残ざんさ渣は水分のある内に土壌中にすき込むようにします。 親芋やくず芋はロータリーなどで細断し、2〜3回入念に土壌にすき込み、芽が出てこないように完全に分解させます。または、残渣捨て場の穴に埋めて腐らせます。4 野良生え芋をなくす 残渣捨て場や圃ほ場の脇などに、野良生え芋など生きた芋が残っていると、伝染源となります。特に残渣捨て場や圃場脇には除草剤を使用するなどして野良生え芋をなくしましょう。5 次作のための種芋消毒 必ず種芋に付着した土を消毒液(ケミクロンG)でよく洗い流します。また、水に浮いた芋は捨て、風乾し、ベンレートT水和剤20を粉衣するか浸漬して消毒します。6 薬剤散布用通路の確保 圃場には、10mおきに1畝分の薬剤散布用通路を作ることで、圃場の中央部まで株全体にまんべんなく薬剤をかけることができます。7 防除のポイント 疫病が発生している場合はアミスター20フロアブルを使用し、発生していなければ、予防剤としてジーファイン水和剤を散布します。その際は、必ず展着剤を添加してください(表)。 散布順序は、最初に疫病未発生圃場、次に既発生圃場へ散布を行います。また、水しぶきでも拡散するため、天候や時間帯を考慮して散布します。 また、罹病によって株が弱り葉柄が折れたりすると、軟腐病を誘発する恐れがあります。軟腐病対策も併せて行いましょう。 疫病菌は、気温が一定温度を超え、まとまった降雨があると発病しやすくなります。平均気温24℃(およそ6月下旬頃)を目安に防除を開始しましょう。【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804サトイモ疫病の防除と対策写真 葉(左)と葉柄(右)の病斑07「いるま野」2019.12表 サトイモ疫病対策に必要な薬剤(例)薬剤名(RACコード)希釈倍数散布量・使用方法使用時期備考ジーファイン水和剤(F:NC,F:M01)1000倍150~500L/10a収穫前日まで予防剤軟腐病にも登録有アミスター20フロアブル(F:11)2000倍100~300L/10a収穫14日前まで治療剤スカッシュ(‒)1000~2000倍5~10ml/10L-展着剤ハイテンパワー(‒)5000~10000倍1~2ml/10L-展着剤ベンレートT水和剤20(F:M03,F:1)20倍1分間種芋浸漬植え付け前種芋消毒種芋重量の0.4~0.5%種芋粉衣ケミクロンG(‒)50000倍0.2g/10L-浸種用消毒農薬使用時の注意点 ①農薬ラベルを必ず確認! ②飛散防止に努める ③農薬使用記録簿をつける農薬は10月4日時点の登録情報です
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