JAいるま野 広報8月号
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 夏の高温期においては、ネギアザミウマなどの害虫や、軟なんぷびょう腐病などの土壌病害が発生しやすくなります。収量・品質の低下を招かないよう、早めの防除を心がけましょう。1 害虫(ネギアザミウマ)⑴ 被害の様子等 成虫や幼虫が葉身を食害し、その痕がカスリ状に抜けて白くなります(図1)。今年は発生・被害が多く、注意が必要です。⑵ 防除対策 増殖が速く、一度多発生すると防除が難しくなります。 定植時及び土寄せ時に持続効果の長い粒剤(表1)を施用して寄生密度を低く保つとともに、系統の異なる薬剤によるローテーション散布を行いましょう。2 病害⑴ 軟腐病 葉ようしょう鞘の地際部が褐変、軟化腐敗し悪臭を放ちます。病気が進むと地際部から折れて倒伏します(図2)。病原菌は細菌で土壌中に生息し、ネギの根や葉鞘部の傷口などから感染します。⑵ 白絹病 葉鞘の地際部が褐変腐敗し、下葉から黄化・萎凋します。被害部には病原菌の白い菌糸がみられ、やがて褐色のアワ粒状の菌核を生じます(図3)。⑶ 防除対策 どちらの病害も、土壌中の菌が伝染源となり、高温で土壌湿度が高いと発生しやすくなります。水はけの悪い圃ほじょう場では、排水溝を掘るなどの排水対策を行いましょう。 また、連作圃場で多発しやすいので、連作は避けましょう。 窒素過多で軟弱に育っている場合も発生しやすくなるので、適正な施肥を行ってください。  発生後では薬剤散布の効果が低いので、発病前から予防散布を行ってください。土寄せ時の薬剤の株元散布(表1)が効果的です。なお、高温時の土寄せは、根を傷め発病を助長するので控えてください。大雨・強風後には軟腐病を対象とした薬剤散布を行いましょう。 発病株は放置せず抜き取って、圃場外に持ち出して処分してください。【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター 農業支援部 技術普及担当 ☎049-242-1804夏季におけるネギの病害虫防除について図1 カスリ状の食害痕図2 軟腐病   (発病株は倒れる)図3 白絹病   (株元に菌核が見られる) ネギは薬液の付着しにくい作物です。薬液を散布する場合、防除効果を安定させるために展着剤の加用が必要です。 また、かけムラのないよう、十分量の薬液で丁寧に散布することが重要です。【写真(図2、図3): HP埼玉の農作物病害虫写真集            Webサイトより引用】表1 防除薬剤例(株元処理・株元散布で使用する薬剤)(令和元年6月12日現在の農薬登録内容で作成)農薬名適用病害虫希釈倍数・使用量使用時期使用方法使用回数ベストガード粒剤ネギアザミウマネギハモグリバエ6㎏/10a収穫前日まで株元処理3回以内ダントツ粒剤ネギアザミウマネギハモグリバエ3~6㎏/10a収穫3日前まで株元散布4回以内オリゼメート粒剤軟腐病6㎏/10a土寄せ時ただし、収穫30日前まで株元散布2回以内モンカット粒剤白絹病4~6㎏/10a土寄せ時ただし、収穫30日前まで株元散布3回以内モンガリット粒剤白絹病4~6㎏/10a土寄せ時ただし、収穫14日前まで株元散布3回以内※農薬使用時は ①必ず農薬ラベルを確認し ②飛散防止に努め ③農薬使用記録簿をつけましょう。07「いるま野」2019.8

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