JAいるま野 広報誌 2019.6|No.278
7/20
ダイズシストセンチュウは、エダマメの収量を激減させる害虫です。根絶は難しいため、発生した畑で減収を抑える対策を行うとともに、別の畑に発生させない対策が重要です。1 被害の様子(写真1) 播はしゅ種または定植約1ケ月後に、畑の一部が生育不良となり、葉が黄化し、草丈も低くなります。根の伸張、根粒の着生、莢の付きや太りが悪く、収量が減少します(湿害の場合は根量が極端に減るため見分けられます)。2 生 態 被害株の根には直径約1㍉、乳白色〜淡黄色の粟粒状の「シスト」が着きます(写真2)。シストの中には二百個程度の卵が入っています。卵は地温10℃以上で孵化して成長し、発育適温は地温23℃程度です。 大豆(エダマメ)、小豆、インゲンの根から出る物質の刺激でシスト内の卵が一斉に孵化し、1作の間に2〜3世代を経て急増します。 一方、寄生できる植物が無ければ、多くの卵が2〜3年の間に孵化し、寄生できずに死にます。しかし、10年近く残る卵もあるため、根絶には至りません。3 対 策⑴新たな発生を防ぐ対策• 長期間(3〜4年)の輪作を行いましょう。• 耕うん等は発生畑を一番最後に行い、作業後に農機具や長靴を洗って土を落としましょう。⑵被害を抑える対策•長期間の輪作が基本です。• シストのついた被害根は抜き取って、畑の外に持ち出します。• 地温が高いほどセンチュウの活動が活発になるので早めの作付けを行いましょう。• 1〜2か月間根への侵入を阻害できる殺センチュウ剤を施用します(表参照)。多発時はDD剤等で土壌消毒を行いますが、シスト内にはガスが浸透しにくいため、他のセンチュウに対する場合に比べて効果は劣ります。• クロタラリア等の対抗植物(ダイズシストセンチュウが寄生するが成虫になれない)を作付けます。クロタラリアは7月中旬頃まで播種が可能ですが、効果を上げるにはできるだけ早く播種する必要があります。【本ページに関する問い合わせ】川越農林振興センター ☎049-242-1804エダマメの「ダイズシストセンチュウ」に注意!写真2 大豆の根に着生しているシスト(白矢印)写真1 圃ほじょう場での被害の様子 平成31年4月9日現在の登録内容で作成。農薬使用の際は、必ずラベルを確認し、飛散防止に努め、使用記録簿を付けましょう。表 エダマメに登録のある殺センチュウ剤薬剤名使用時期使用量(/10a)使用方法使用回数IRACコードバイデートL粒剤播種前または定植前6㎏作条土壌混和1回1A30㎏全面土壌混和ラグビーMC粒剤播種または定植前20㎏全面処理土壌混和1回1Bネマキック粒剤播種または定植前20㎏全面土壌混和1回1B07「いるま野」2019.6
元のページ
../index.html#7