JAいるま野 広報誌 2018.7 | No.267
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現場では・・・飯能市の取り組み木﨑課長・・・市内では例年3,000万円を超える被害が把握され、イノシシ、シカは平坦地にも広がっています。以前は「山の方はイノシシで大変だ」と言っていた地域でも数年前から発生するようになり、既にそこで20頭程捕獲しました。 昨年の捕獲数はアライグマ217頭、シカ199頭、イノシシ39頭、ハクビシン11頭、サル9頭で、捕獲圧をかけても次から次に湧いてくる状況と言っていい。  今は個体数が非常に増加しているので捕獲圧は必要ですが、私達は捕獲に頼らない地域主体の「鳥獣被害に強い地域づくり」をしていきたいと考えています。 平成29年度に市職員74名(現在は79名うち狩猟免許登録者11名)で構成する「市鳥獣被害対策隊」を組織しました。捕獲活動や聴き取り調査など、先ずは市職員が自ら汗をかき、その活動を通じて地域の理解と協力を促していくことが目的です。昨年度は、隊員によりイノシシとシカを合わせ52頭捕獲しました。こうした活動を通じて地域理解も徐々に得られるようになりました。 平成30年1月には法定の「実施隊」も設立しました。こちらは市職員が2名、猟友会の方が2名でまさに捕獲を中心とした実行部隊です。その他に今年度から対策普及員を2名置き、正しい知識に基づいた地域への啓発や地域と一体となった活動にも力をいれています。 専門家により農家さんに防除の仕方を学んでいただく。そこに実施隊や対策隊が捕獲圧をかける。捕獲・環境整備・電気柵等の防除の3つの取り組みをバランスよく地域主体で実施することで、成功事例を作り示していきたいと考えています。ジビエについては、観光的な視点からも市場流通可能な形まで作っていきたいと思っています。現場では・・・毛呂山町の取り組み渡辺課長・・・町内の被害額としては平成29年度で360万円程です。アライグマ、ハクビシンは町内全域で見られ、トウモロコシやスイカなどが被害にあっています。サルはまだ確認されていませんのでユズなどの被害はありません。イノシシやシカは中山間部の全域で見られ、近年、イノシシは平坦地との境目辺りまで出没し増えてきている実感があります。 シカもイノシシも川沿いを移動し生息域を拡大させると言われますので、今後は山間部から東へ川に沿って被害が拡大する懸念もあり、地域への環境管理面の活動も重視していく必要があります。 被害対策については、平成22年に「被害防止計画」を策定し、県内ではいち早く26年4月に「実施隊」を設置しました。 実施隊は市町職員3名、捕獲員として猟友会の方21名で構成しており、毎週日曜日に山に入りイノシシ、シカの一斉捕獲を行っています。また、被害報告が入ればその都度、捕獲員と重点地域を相談し適時実施します。通年で行う捕獲わなの設置と合わせ、昨年はイノシシ44頭、シカ17頭、アライグマ81頭、ハクビシン15頭を捕獲しました。 平成29年度からは有害鳥獣捕獲期間を通年としたことでイノシシの被害は減少していますが、その他の獣は横ばいで、行政区などを超えて広域的に一斉に実施する必要性も感じています。 また猟友会の方々はベテランで知識がとても豊富です。そのため現在の活動は非常に良好なのですが、将来的には高齢化による捕獲圧の低下が深刻な問題となると考えています。飯能市 産業環境部農業振興課 木﨑 晃典 課長毛呂山町 産業振興課 渡辺 昭 課長日中の市街地に出没したイノシシ。生息域は間違いなく山から平坦地に拡大しているという。               (飯能市提供)04「いるま野」2018.7

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