JAいるま野 広報誌 2018.5 | No.265
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表1.収穫時の気温と陥没症発生率との関係収穫時間気 温陥没症発生率午前10時午後3時26.1℃29.1℃0.0%8.9% *2016/5/26調査、各区2㎏収穫 *調査日の最高気温は30度(午後1時)川越農林振興センター 農業支援部 ☎049-242-1804 5月下旬から、青梅の出荷が始まります。近年、市場出荷後の青梅(白加賀)にへこみが生じる「陥没症」が発生し、市場単価を下げる要因となっています。そこで、当センターでは、平成28年〜29年に陥没症の低減方法の検討を行いました。 次の対策を実施して、品質の良い梅を出荷しましょう。1 被害の様子と発生要因 陥没症とは、収穫後に青梅の表面が凹む症状を指します。収穫後、数時間〜1・2日が経過してから発生するため、選果時の除去が困難です。 同障害の発生メカニズムは不明であるものの、主に高温と乾燥による果実の水分不足が原因と考えられます。図1.正常果(上)と陥没果(下)2 対策(1)朝の涼しい時間帯に収穫 収穫時間と陥没症発生率の関係を調査した結果、午前10時の収穫では陥没症は発生しませんでしたが、気温が上昇した午後に収穫した果実では、 陥没症の発生がみられました(表1)。 収穫は午前10時頃までの涼しい時間帯に行い、気温が30度を超えたら収穫をひかえましょう。なお、夕方に気温が下がっても、樹が水分を回復するまでには時間がかかります。気温が30度を超えた日は、夕方の収穫はひかえてください。 (2)若すぎる果実の収穫は危険! 福井県試験場によれば、陥没症は胚(核の内部)の固化完了後7〜10日で発生しなくなります。 果実を割ってみて、核内部が完全に白くなっているのを確認してから、収穫を開始するようにしましょう(図2)。なお、胚固化完了の時期は満開後約80日が目安です(満開日を3月15日とした場合、6月3日頃)。(3)日なたの果実温度に注意! 直射日光が当たった果実の温度は、実際の気温よりも7℃以上高くなり、樹冠内部の果実に比べて陥没症の発生数が多いことが確認されました。 午前中の収穫であっても、触って温かいと感じた果実は採るのをやめましょう。また、せん定で樹冠外部に突き出した結果枝(図3)をつくらないことも有効です。(4 )収穫後の果実は屋内の涼しい場所に保管 収穫時の気温が低くても、収穫後の果実を35℃で3時間加温すると、一部の果実で陥没が発生しました。さらに、加温した果実は無加温に比べて黄化が早く進みました。 収穫後の果実は速やかに屋内等の涼しい場所に移動し、保管するようにしましょう。青梅(白加賀)の陥没症対策図2.胚固化率別の果実断面図3 .樹冠外部に突き出した結果枝。こうした枝についた果実は、直射日光に当たる時間が長く、陥没果になりやすい。30%100%0%80%07「いるま野」2018.5

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