JAいるま野 広報誌 2018.5 | No.265
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メインでしたが、一昨年からは米作りの数値化にも取り組んでいます。有名な「山田錦」などはデータが確立していますが、「さけ武蔵」は特に大吟醸クラスのデータが全くない。我々はそのデータや理論を積み重ねていきたいと考えています。農家さんにとっては数値化することが時として残酷な事でもあるかなと迷っていた時期もあったのですが、ご相談したら「それ、もっと早く言ってくれれば良かった」と、「是非やろう!」となったわけです。向かう方向性を一緒にできたのは良かったです。この取り組みでできた酒「斗瓶取り雫酒」(P2中央の酒)が今年の県鑑評会で入賞できました。ねらいとしては正しかったと思っています。 さけ武蔵は量の問題から当初は県北からも入れていましたが、4年ほど前からは全て地元米のみを使用しています。山田さん達が近い将来に1,000袋、と言っていただけることは今後も心強いです。酒に付加価値を 「田んぼから酒造りを」をコンセプトにプロジェクトにも取り組みました。酒の造り手として米作りから携わりたいと、田植えや稲刈りまで杜氏が農作業に参加する全国でも珍しいものです。JAの石井さん、行政の皆さんや農家さんにご協力いただき実習生として始めました。 また、さけ武蔵にこだわって鑑評会に出品しています。さけ武蔵はそもそも鑑評会向けの米ではありません。賞を取りたければ技術が確立し広く使用されている「山田錦」などを使った方が早いのですが、「山田錦」は埼玉の米ではありません。それでは「地域性」や「独自性」といったものが薄れてしまう。 我々はこの地元で取れた「さけ武蔵」を使用した正真正銘の「地酒」で賞を取りたいと考えています。これらの取り組みが付加価値となると信じています。これからの目標 酒米は一般の米と比べて穂が高く刈取りが遅い。そのため農家さんにとって決して作りやすいものではありません。それでも「お酒を愛する気持ち」や「地元の米が地酒になって地域振興に役立つ」といったストーリーに魅力を感じてくれる農家さんの協力が必要です。山田さん達もこのストーリーに賛同していただいていると思っています。 さけ武蔵を使って全国鑑評会で金賞をとりたい。賞をいただくことで消費者の皆さんからの関心が増し、さけ武蔵の認知度が上がって酒の価格にも反映されていくことで、農家の皆さんのメリットにもつながっていくと思っています。蒸米を丁寧に冷ます蔵人の後藤さん。蒸米の具合がその後の精度に大きく影響するという。麹を蒸米に振りかけ、万遍なく混ぜる「種麹の散布作業」。厳かな様子はまるで神事のようだ。左から蔵人の後藤さん、杜氏の柿沼さん、蔵人の国分さん。酒造りでは製造責任者を「杜氏」、製造スタッフを「蔵人」という。職人気質で怖い人達かと思いきや、皆さんとも折り目正しく笑顔で優しい方たちです。さけ武蔵を使った日本酒が購入できる主要店舗・丸広百貨店 川越店 ・伊佐沼農産物直売所・JAいるま野 あぐれっしゅ川越 ・株式会社 鴫蔵・小江戸蔵里 鏡山アンテナショップ05「いるま野」2018.5
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